コーヒー産地直送!~Qグレーダーの中米便り~

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バリスタ・チャンピオン主催の世界同時カッピングに参加!(2)

前回に続けて話題は世界同時カッピングです。今回は私を含むエルサルバドルからの参加チームリーダー役、ニコラスのカッピングに使用するコーヒーを含むパッケージを得るまでの奮闘を紹介します。 

カッピングのパッケージを受け取るべきニコラスの大奮闘

今回の世界同時カッピングにエルサルバドルからの参加を可能にした、前回紹介しましたニコラスですが、実は中米ではニコラスが唯一参加を取得しました。その視点からしてもこの機会に参加させて頂けることは私としましてはとても光栄に思いました。 

ところで後にニコラスから聞いた話によると参加が確認されてからカッピング・パッケージを手にするまではロジスティックの面でかなり大変な目に遭ったそうです。と言うのもエルサルバドルのコーヒー審議会からだけでなく、保健省からもコーヒー豆の輸入許可に関する手続きをせねばならなく、しかも彼自身も一輸入業者としての登録もしなければなりませんでした。

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ロジスティクスは商業レベルのコーヒーの輸送でもネックとなる

パッケージの輸送に関してもニコラスはかなり細心の注意をはらい、船による輸送のトラッキングをインターネットで追ったのですが、輸送船が出発の港に留まりなかなか出港しない事を確認するとその懸案をホフマン氏チームに伝え、そうするとホフマン氏には即座に無料で空輸による送付を手配して頂けたとの事です。とても親切なご対応ですね。

エルサルバドル・チームの参加は主要日刊紙にて大報道 

それで何とかイベントまでに無事にパッケージを受領すると、今度は輸入に関わる税金として60米ドルもの支払い義務がある事を言い渡されたとか。

思いがけなく多額な出費をしたニコラスが言うには、このハプニング続きの結果手にしたパッケージは彼の今までの人生で一番高いコーヒーだとの事。150グラムのコーヒーが何十米ドル、更に取得するのにそんなに大変だったのだから確かにその通りですね。

もう一つ余談ですが、実はニコラスとしてはどうしても今回のカッピングへの参加を実現させなければいけない理由がありました。と言うのもこのエルサルバドルからの参加については既にエルサルバドルの主要日刊紙にインタビューされ、記事として報道されていたのです。

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エルサルバドルの世界同時カッピングへの参加が大々的にとりあげられた現地新聞記事

そんな報道がされてから輸送の遅延や輸入手続きの必要性が明らかになったので、イベントまでにパッケージを取得し輸入手続きが間に合うかとかなりヤキモキし、しかも関連の出費も想定外に高く付き、不安とストレスでいっぱいの数日だったとの事です。 

ニコラスの大健闘のお陰でエルサルバドル・チームは参加へ

聞くところによるとイギリス以外のヨーロッパの国々でもパッケージが間に合わなかったケースがあり、より遠く離れた中米への輸送を時間内に実現させたニコラスは偉業をなしたと言えます。

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かくしてエルサルバドル・チームは世界同時カッピングに挑む事に

いずれにせよ最終的にエルサルバドル・チームの参加は実現し、ニコラスとホフマン・チームの支援のおかげで豆は世界同時カッピングセッションに間に合ったのですが、そこまでしてこのカッピングセッションへの参加を可能にして頂けたニコラスには大感謝です!

 

さて次回は遂に当日のストリーミング配信の様子をお伝えします。